歯ぎしり
歯ぎしり
睡眠中に歯をすり合わせて音を立てることを「歯ぎしり」と呼び、本人はほとんど気付かず家族等に指摘されて始めて気づく方多いです。
歯ぎしりが原因で噛むと痛くなることがあります。
痛みの場所の特定ができない、痛みの位置が変わる等の場合は、歯ぎしりによって痛みが出ている可能性があります。
歯が擦り減ることがあります。
特に「犬歯」は平らになり、元に戻すことが困難なため注意が必要です。
歯の根元や噛む面が削れたり、歯に亀裂が入ることで知覚過敏が強くなります。
歯に亀裂が入り細菌が神経に入り、壊死することがあります。
しみたり少し噛んだだけで痛い程度から徐々に強い痛みが出てきます。
歯に強い力が加わりプラスチックやセラミックの詰め物、被せ物が外れたり、欠けたりすることがあります。
顎関節症になることがあります。
顎は左右の関節の部分のみで頭の骨とつながっているため、顎の関節に力が加わると顎の関節にある「関節円板」がずれたり、変形したり等の顎関節症を引き起こします。
骨に負担がかかることで歯茎が痩せてしまいます。
歯周病の場合、歯ぎしりの力により歯を支えている骨の溶ける進行が早くなり、歯茎が痩せやすくなります。
大多数の人がこのタイプです。
日常のストレスが原因で、歯ぎしりが行われることがあり、ストレスが取り除かれると、歯ぎしりが止まることもあります。
スポーツ選手等で瞬発的に力を出すような職業に就いている人の場合、食いしばりが習慣化してしまっていることがあります。
咬み合わせの異常や顎の変位、金属製の詰め物が合っていないなどが原因で歯ぎしりが起きることがあります。
精神的なストレスは「歯ぎしり」を強くする要因のひとつといわれており「歯ぎしり」を無理に止めることはストレス発散を妨げになることもあります。
現在ではマウスピースをつけて眠ることで、歯や顎へのダメージを軽減するスプリント療法が一般的です。
歯ぎしりは、引越しや入学、転職といった環境の変化や大きなストレスが加わったことが原因で起こることがあります。
ストレスをコントロールできるように、リラックスする方法を見つけることも大事です。
顎関節症は、顎の痛み、雑音、運動障害(口が開けにくい)の症状がある病気です。
一般的に最初は耳の前(顎関節)でカクカク音がするのに始まり、次第に痛み、口が開けにくいなどの症状が出てきます。
カクカク音がする症状のみの時は、症状の悪化を防ぐ方法、日常生活での注意点などを理解することが重要です。
また、痛み、口の開けづらさがあるときは、治療が必要になります。
顎関節症の原因にはまだ不明な点が多いですが、歯の欠損、かみしめなどの悪習癖など歯科医院で治療すれば改善する要素は多くあります。
従来は噛み合わせの悪さが原因だと考えられてきましたが、近年の研究で、噛み合わせは原因の一ではあるが、実際には多くの要因が絡んでいることがわかってきました。その要因には、噛み合わせの不良のほか、顎関節そのものがもともと弱いなどといった構造上の問題、ストレスや不安などからくる顎の筋肉の緊張、外傷などもあると考えられます。また、日常生活における習慣や癖なども大きく影響していることがわかりました。例えば、頬づえや歯ぎしり、唇や頬の内側を噛む癖、食いしばり、片側の歯での偏った噛み方の癖、うつぶせ寝の習慣、猫背など。近年ではスマートフォンや携帯電話、パソコンの長時間に及ぶ操作なども原因の一つでもあります。
顎に負担をかけるような悪習癖を是正するための指導を行います。特に、歯を食いしばったり、歯と歯を常に噛み合わせるような習癖があると、歯、顎関節、筋肉に負担がかかり、血流も悪くなるので、こういった習慣を正す方法(認知行動療法)などを提示します。また、食事やその他習慣に関する注意事項を説明します。
ストレッチを行うことで、靭帯を伸ばして関節を動きやすくし、関節と筋肉の血流を改善し、関節腔内の潤滑成分の分泌を促します。
夜間の歯ぎしりや食いしばりがあり顎関節症を悪化させているケースでは、歯ぎしり防止のマウスピースを作成します。原則、就寝時のみ装着します。
マウスピースには次のような効果があります。
効果には個人差が大きく、劇的に改善する方もいれば全然変わらない方もいます。
痛みが強い場合や、関節組織の損傷により炎症が起こっている場合は、鎮痛消炎薬の処方を行います。